曾子曰く、吾日(われひ)に吾(わ)が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友(ほうゆう)と交わりて信ならざるか、習わざるを伝(つた)うるか。

曾子曰く、吾日(われひ)に吾(わ)が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友(ほうゆう)と交わりて信ならざるか、習わざるを伝(つた)うるか。

曾子 (1)





(漢文)
曾子曰、吾日三省吾身、為人謀而忠乎、与朋友交言而不信乎、伝不習乎。


曾子が言った「私は毎日、自分をたびたび省みて、よくないことは省いている。人のためを思って、真心から行動したかどうか。友だちに対して嘘偽りはなかったか。、また習得していないことを、人に教えたりはしていないか」

「三省」という言葉が出てきましたが、「三つのことを省みる」という意味と「何度も省みる」という二つの意味があります。この章句、孔子の弟子、曾子が語った言葉です。

曾子が反省した三つの内容とは。
一つ目が「人のためを思って、忠実さを(まごころ)欠いていなかったか。

二つ目が「友だちと接したり、付き合いの中で、偽りなく誠実さを欠いたことをしなかったか」

三つ目が「教えられたことやきちんと理解していないことを、人に話してはいなかったか」

どれも人に対して「仁」があったかどうかを問うているように思います。
自分がどれだけ努力したか、あるいは成果をあげたかではなく、人に対して、どのような態度で接したかが大事なんですね。


曾子 (2)





曾子は、46歳も孔子と歳が離れている、とても若い弟子です。孔子に少し純いと言われたこともあったようですが、実直で、誠実でした。孔子にとっては、きっと可愛い弟子だったのでしょう。純いという欠点は、裏を返すと一途であるとか、まじめであるという長所にもなります。その一途さがあったからこそ、このような反省する言葉が生まれたのではないでしょうか。

やがて曾子は自分も先生と呼ばれる立場になり、弟子をとるようになります。孔子から学んだことを忠実に後世に伝えた一人です。

毎日繰り返し反省している曾子の姿が、目にうかんできそうですね。曾子のように、具体的なことを繰り返し繰り返るというのは、かなり強い意志が必要です。何か一つでも、自分を省みる時間を持てたらいいですね。




孔子の時代 (1)

日頃、学問を究めようとしていた孔子にとって、自らを省みることは人生の重要なテーマだったでしょう。それぞれの章句には、未熟な自分への戒めと同時に、道義が乱れた当時の世の中に対する、優いや嘆きも色濃く表れているように感じます。また、理想の人物である君子は、謙虚で、恥を知っているということ。だからこそ、過ちは速やかに正し、しかも繰り返さないように努めます。曾子の誠実な人柄が表れている章句も、心に沁みます。

孔子の教えは、こういう弟子たちがいたからこそ、現代に伝わったのでしょう。








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